導入事例

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製造業向けCPQ「OrderCPQ」導入事例
TOTO株式会社 様

2300垓(ガイ)規模の構成管理に挑む
OrderCPQでE-BOM/M-BOM一元管理へ
TOTO株式会社
(左から)
トイレ空間企画部 トイレ空間DX推進グループ
内田 宏孝 氏
グループリーダー 高塩 康洋 氏
TOTO株式会社は、住宅設備機器大手として、住宅商品からパブリック向けトイレ空間まで幅広い製品を展開している。同社のトイレ空間事業では、空港や大型再開発案件など受注生産案件も多く、仕様の組み合わせは2300垓規模にも及ぶ。従来はフルスクラッチやExcelを中心に構成管理を行っていたが、組み合わせの複雑化に伴い、チェック負荷や属人化が課題となっていた。そこで同社は、構造計画研究所(KKE)の製造業向けCPQ『OrderCPQ』を活用し、E-BOMとM-BOMを一元管理する仕組みの構築に着手。将来的なBOM/BIM(1)連携や建設DXも視野に入れたプロジェクトがスタートしている。取り組みの背景や狙いについて、トイレ空間DX推進グループの高塩氏と内田氏に聞いた。

2300垓規模の組み合わせ管理が限界に

まず、TOTOのトイレ空間事業では、どのような構成管理の課題があったのでしょうか。

内田氏: 当社のトイレ空間事業は、大きく住宅商品とパブリック商品に分かれていますが、特にパブリック領域は受注生産が中心になります。空港や大型施設など、案件ごとに仕様が異なるため、組み合わせ管理が非常に複雑になります。

もともとはフルスクラッチで仕組みを構築してきましたし、Excelも多く使っていました。特に組み合わせ管理は極めて複雑で、組み合わせ数は2300垓規模(1垓は10の20乗)にも及びます。この膨大な仕様をどう制御するかが長年の課題でした。

 

高塩氏: 構成を管理する開発側から見ても、かなり限界が近づいていました。膨大な品番をExcel中心で管理していましたので、チェック負荷も大きく、手入力ミスも起こりやすい状況でした。

構成管理刷新の原点は、2007年の検討にあったそうですね。

内田氏: 私はもともと設計部門や製造部門にいて、長く構成管理に関わってきました。当時も、膨大な組み合わせをどう管理するか模索していました。ただ、多くはPDM(2) やPLM(3) にたどり着くのですが、我々がやりたかったのは、単純な図面管理ではなく、「仕様をどう制御するか」だったのです。一般的には、CPQ というと「見積もりツール」というイメージが強いと思います。ただ、私が着目したのは、CPQの“Q”ではなく、“C”、つまりコンフィグレータ機能でした。2007年頃、毎日のように情報を探している中で、KKEのホームページに「構成管理」のワードを見つけて、「これは近いことができそうだ」と感じて、資料請求したのが最初です。

ただ、その時はまだ時期尚早で、最初のプロジェクトは中断してしまいました。それでも、「仕様を制御する仕組みが必要だ」という問題意識自体は、その後もずっと持ち続けていました。

2022年に再びプロジェクトが動き出した背景は何だったのでしょうか。

高塩氏: 一番大きかったのは、開発現場側で「もう限界だ」という声が強くなったことです。当時、標準構成管理はExcelを中心に運用していましたが、組み合わせ数が非常に多いため、作業も複雑になっていました。開発側としては、タイトな時間で品質を維持しながら回し続けるのがかなり厳しい状況になっていました。

内田氏: そのタイミングで、私が2007年当時の検討資料をもう一度引っ張り出したのです。ちょうどその頃、別テーマでBIM関連の検討も進んでいて、KKEの名前が社内で出ていた時期でもありました。そうした流れも重なって、「もう一度きちんと検討してみよう」ということで、プロジェクトが再始動しました。

高度なコンフィグレータ機能を活用したE-BOMとM-BOMの一元管理

今回、KKEの製造業向けCPQ「OrderCPQ」のどこを評価されたのでしょうか。

内田氏: 前述の通り、CPQのCにあたる高度なコンフィグレータ機能を重視しました。特に、オプション条件をロジック形式で定義できるため、星取表による管理で課題となる組合せ爆発を回避できます。これにより、マスタ管理の複雑化を抑制し、保守性およびメンテナンス効率の向上が期待できます。

今回は、E-BOMとM-BOMを切り離さず、一元管理することをテーマにしました。仕様と第一階層をOrderCPQ側で制御し、下位構成は既存システムと連携しています。

また、寸法や組み合わせ条件に応じた動的な品番生成にも対応しています。以前は2300垓規模の構成展開に5分程度かかっていましたが、現在は数秒で返ってきます。

高塩氏: 単に「速い」というだけではなく、変更点を把握しやすくなったことも大きかったですね。以前は変更してはいけない箇所を誤って触ってしまうこともありましたが、今は差分確認がしやすくなり、チェック負荷をかなり下げることができています。

 

データ統合で変わった開発と現場のコミュニケーション

プロジェクトで最も苦労した点は何でしたか。

内田氏: もっとも苦労したのは、技術そのものよりも組織の役割の部分だったと思います。もともと、開発側は標準化、現場側は個別対応という立場でした。

ですので、「データを統合する」という話に対しては、認識の相違があったため、合意形成には時間をかけました。

高塩氏: 最後の立ち上げ段階では、開発、生産、見積もりなど、関係者がほぼ毎日会話していました。

以前は、開発と現場がここまで密に話すことは、ほとんどありませんでした。ただ、今回のプロジェクトを通じて、「現場はこういうことを求めている」「開発側はここまでできる」といった会話が増えていきました。

導入によって、現場にはどんな変化がありましたか。

高塩氏: 分かりやすいところで言うと、やはりExcel依存から脱却したことです。

また、以前は構成管理がどうしても後工程で対応するしかありませんでした。今は途中段階から積み上げながら構成を作っていけるようになりました。後工程に負荷が集中するのではなく、少しずつ精度を高めていけるようになりました。

内田氏: 今回のプロジェクトは、「仕事をなくす」というより、「正しく積み上げられる状態を作る」ことが目的でした。

構成管理というのは、単独で存在するものではありません。品番、原価、発注、生産、現場まで、すべてにつながっています。だからこそ、正しい構成を積み上げられる状態を作ることが重要でした。

その意味では、今回大きかったのは、「データをつないだことで、相互に気づけるようになった」ことだと思っています。単純に「何秒短くなった」という話ではありませんが、コミュニケーションが変わったことは非常に大きかったと思っています。

今後の展開について教えてください。

内田氏: 構成管理というのは、終わりがない仕事だと思っています。今後は、BOMを他とどうつなげていけるかというテーマもあります。ただ、一足飛びに理想形へ行けるものではありませんので、その時々の現実を見ながら進めていくことになると思います。

高塩氏: 人は簡単には増えません。だからこそ、今後は「どう効率化するか」だけではなく、「どう発想を変えるか」が重要になると思っています。我々の部署も、単なるシステム部門ではなく、発想を変えながら業務を組み替えていく役割に近いと思っています。

内田氏: KKEは、建築設備業界の感覚が通じやすいと感じています。我々の苦しみや業務の特徴を理解した上で会話していただけるので、非常にやりやすかったですね。

今後も、一緒に取り組んでいければと思っています。

 

取材日:2026年4月

(1) 製品の設計や開発にまつわる情報を一元管理する仕組み
(2) 製品の企画から開発・製造・廃棄までのライフサイクル全体にまつわる情報を一元管理する仕組み
(3) 建物の3次元モデルに様々な属性情報を含めて、設計から施工・維持管理まで一元管理・活用する仕組み

この事例に関するお問い合わせ

OrderCPQ担当
TEL:03-5342-1122
E-mail:bpr@kke.co.jp
Web:https://ordercpq.kke.co.jp/

※記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の商標又は登録商標です。
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