展示レポート
複雑な社会をシミュレーションでデザインする
ー融合領域の課題への取り組みー
私たちは、人間社会とある課題との関係性を読み解き、構造を模擬(モデリング)した仮想空間を用いて課題解決の施策をシミュレーション・評価するという「社会シミュレーション」に長年取り組んできました。
都市の再開発やまちづくりに社会シミュレーションを適用すれば、利便性、安全性、事業継続性に加えて環境への影響も考慮しなければいけないような多目標の問題の解決に貢献できると考えます。
社会シミュレーションは、人の行動や価値観を踏まえて複雑に絡み合った問題を紐解きます。
取り組む社会課題
昨今、まちづくり、エネルギー、モビリティなど、さまざまな分野で従来の枠組みを超えて人間社会の構造が変わろうとしています。例えば、自動運転車を普及させるには、手動運転車とのバランスや災害時の人々の安全など分野横断で考える必要があり、解決するためには人を中心としてそれぞれの分野の関係性を考えなくてはいけません。そこで、我々が培ってきた社会シミュレーションの知見が役立ちます。
「解」へのアプローチ
「社会シミュレーション」の手法
課題と人間社会の構造の関係性を読み解き、その構造を模擬、様々な施策を評価(シミュレーション)する「社会シミュレーション」の手法をベースに、顧客の課題解決に向けた意思決定支援を行っています。
< 現実 >
情報を収集し、現実社会を多角的にとらえる
多種多様なヒトが生活する都市では、その実態を的確に理解することが必要となります。
「ヒト」「モノ」「コト」のデータを整理・可視化し、現実社会に起きている事象を解明します。
< 分析 >
情報を多角的に分析し、事象の要因を解明する
複雑な社会課題を解決するためには、事象に潜む要因を知ることが重要です。
事象データを分析し、関係性を解明します。
< モデル化 >
課題と人間社会の構造の関係性を読み解き、その構造を模擬する
分析を元に本質的な課題と人間社会の構造の関係性を読み解き、模擬(モデリング)することで実行可能な施策を検討します。
< シミュレーション >
モデルを用いて複数の施策を評価し、目指すべき方向性を見定める
複雑な要因が絡み合う中で、過去の経験や発想のみで効果的な施策を決定することは困難です。シミュレーションにより、各領域に与える施策案の効果と影響を定量・定性的に評価します。
活用例
交通・移動 新モビリティの導入を検討
新しいモビリティの導⼊の際に、利用者の利便性、事業者の採算性、環境・エネルギーへの影響などさまざまなジレンマ・トレードオフを社会シミュレーションで模擬し、交通施策を評価します。
交通・移動 EV充電ステーション検討シミュレーション
EV普及に向けてEV充電ステーションを設置した場合の利用状況等を模擬し、必要な充電ステーション箇所数、設置場所等の充電インフラ構築に向けた検討に活用します。
エネルギー 電力需給解析シミュレーション
EVが導入されたら?物流が電動化されたら?デマンドレスポンス(電力需給のバランスを調整する仕組み)が導入されたら?再生可能エネルギーの発電予測が外れたら? あらゆる状況下での電力需要に対して、発電機の運用を数学的にモデル化し、1日のコストが最も安価で効率的に発電できる運用方法をシミュレーションで検討します。
防犯・防災 災害避難シミュレーション
津波や河川氾濫、火山噴火などの災害発生時には、地域の人々を安全に避難させるための施策が必要です。より実効性の高い施策を検討するため、地域の避難課題を読み解き、施策の効果と影響を定量的・定性的に評価し、避難計画の作成支援を行います。
今後の展望
複雑な社会課題の解決のためには、その背景にある構造や様々な要因の関係性を理解した上で、本質的な問題を抽出し、その解決に向けた適切なアプローチを選択することが重要です。昨今では人々の価値観(思考・嗜好)や行動を踏まえた多目標の課題解決が重要となっており、今後は社会シミュレーションの必要性が更に増していくと考えられます。
これからも、当社が培ってきた社会シミュレーションの知見をベースに、総合的なコンサルティング・サービスを提供することで社会に貢献してまいります。
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