プレスリリース

熊本県教育庁「熊本文化財復興支援金」について

この度の熊本県、大分県で発生した一連の地震で亡くなられた方、負傷された方に謹んで哀悼の意を表しますとともに、現在も被災され避難生活を余儀なくされている方々に心よりお見舞い申し上げます。

地震の影響で多くの尊い命が失われるとともに、熊本県内の史跡・重要文化財における甚大な被害の状況も明らかになってまいりました。洋学校教師館(ジェーンズ邸)、阿蘇神社、水前寺成趣園等の文化財に加え、特に、400年にわたって熊本県のシンボルである熊本城天守閣や石垣・宇土櫓などが被害を受けており、熊本県民の皆様の誇りを幾程傷つけられたかと拝察申し上げます。

被災された皆様の生活を再建されることが第一ではありますが、熊本の地で大切に守られてきた文化財の復旧もまた皆様の心の支えとなりますことを信じて、当社はこの度、細川護熙元総理・元県知事のご紹介により熊本県教育庁「熊本文化財復興支援金」に1億円を寄付することを2016年6月27日の取締役会で決定し、6月末に贈呈いたしました。

今回、熊本城天守閣は連続2回の震度6の強震に持ち堪えました。57年前、当社が天守閣再建に関わったころ、当時構造技術担当であった創業者 故服部正は当時の思いを

「数百年前に建設された石垣等の耐力については、今日推察す可くもないが、特別史蹟と指定されている現在、之に何等の損傷も与える事なく、本工事を完了せんとすることが、設計者一同の願いであり、且つ、今後、永久的に、この城が維持される事も、また希望である。」

―「熊本城復原工事に関する構造上の仕様書」より抜粋―

と述べております。

今まで多くの方々の智恵によって熊本の文化財が自然の猛威に耐え受け継がれてきたように、またこれからの復旧を経て熊本城が一般公開され、皆様の暮らしに穏やかな時間をもたらすことを私どもは願ってやみません。

さらに熊本の地元企業、自治体、パートナーの皆様が前向きに頑張っておられる姿から、熊本県民の皆様の逞しさを日々感じております。おかげさまで、当社熊本構造計画研究所自体は軽微な被害で済み、被災直後から所員一同が自律的に業務を再開し、明るく未来志向で協力的な文化、風土が阿蘇の麓で醸成されていることをご報告申し上げます。

縁あって、私ども構造計画研究所は1984年から熊本県大津町の地に事務所を構えてまいりました。これからも、専門的技術エンジニアリングの側面から、熊本の復旧、復興に真摯に関わっていきたいと願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2016年7月1日

株式会社構造計画研究所
代表取締役社長 服部正太

関連情報: 2016年4月26日 お知らせ 「2016年熊本地震に関して

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