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artisocで始める歩行者エージェントシミュレーション :原理・方法論から安全・賑わい空間のデザイン・マネジメントまで

artisocで始める歩行者エージェントシミュレーション :原理・方法論から安全・賑わい空間のデザイン・マネジメントまで
著者名兼田敏之(編者代表)
構造計画研究所 創造工学部 + 名古屋工業大学 兼田研究室(著者)
定価4,620円(税込)
刊行日2010.04.16
ISBN-139784904701171
発売元(有)書籍工房早山

概要

本書は、近年、建築学や都市計画学の分野において、主に欧米での発展が著しい 歩行者エージェントシミュレーションの概念および手法について、マルチエージェントシミュレーションプラットフォームである「artisoc」(アーティソック)を用いた実例を交えて紹介した入門書です。明石花火大会歩道橋事故などの群集事故分析、津波や超高層ビル火災など災害時の避難計画の策定、ショッピングセンターなど商業施設や遊園地における場内アナウンスや賑わいイベント効果の予測、歩行空間デザイン等は、これまで建築物の構造の観点で検討されていましたが、歩行者エージェントシミュレーションにより歩行者行動の観点からも検討することができます。
本書の構成は、第Ⅰ部に歩行者研究の歴史と1990年代以降に隆盛した人工社会パラダイムなど、本書を学ぶ上での基本概念の説明、第Ⅱ部に実用指向の歩行者モデリングに欠かせない歩行者の寸法、密度、群集流の速度などといった歩行者行動や群集流の特性について、実測データを中心とした解説、第Ⅲ部にartisocを用いて作成された歩行者エージェントシミュレーションの実例、第Ⅳ部に歩行者エージェントモデリングが拓く研究領域の紹介からなります。さらに、付録の CD-ROMには、artisocの機能限定版であるartisoc textbook 2.6 と本書で使用したサンプルモデルが入っています。また、本書で採用した事例には今年で第10回を迎えた構造計画研究所主催の「MASコンペティション」参加作品が多く含まれています。
対象とする読者は、建築や都市計画に関わる方々はもとより、複雑系、エージェント・ベースド・社会シミュレーション(ABSS:Agent-Based Social Simulation)を学ぶ広範な分野の方々を想定しております。それらの方々が、自らの関心で歩行者エージェントシミュレーションに触れる手引となるような内容となっています。

目次

  • 序章 歩行者エージェントシミュレーションへの招待

 

第1部 人工社会パラダイムと歩行者エージェントモデリング

  • 第1章 歩行者エージェントシミュレーションとは何か?
  • 第2章 歩行者エージェントモデリング研究の進展
  • 第3章 人工社会パラダイムとシミュレーションの方法論
  • 第4章 歩行者エージェントのモデリング方略

 

第2部 歩行者と群集流の基本知識

  • 第5章 歩行者の空間行動を類型化する
  • 第6章 人体尺度と群集密度
  • 第7章 群集流
  • 第8章 避難計画の基準

 

第3部 artisocで学ぶ歩行者エージェントシミュレーション

  • 第9章 マルチエージェントシミュレーションプラットフォーム「artisoc」
  • 第10章 artisocで歩行者行動を表現する
  • 第11章 L字通路での群集流とその危険性
  • 第12章 商業施設の賑わいとイベント効果
  • 第13章 遊園地のアトラクションの混雑と効果的なアナウンス

 

第4部 歩行者エージェントモデルが拓く研究領域

  • 第14章 連続空間上における歩行者動力学モデル
  • 第15章 回遊行動のエージェントモデリング
  • 第16章 歩行者シミュレーションモデル構築のための計測技術
  • 第17章 超高層時代の新しい避難戦略の模索
  • 終章 自分のアイデアを実現してみよう

本書に関するお問い合せ

(有)書籍工房早山

TEL:03-5835-0255

FAX:03-5835-0256

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