トップメッセージ

株主の皆様へ


 構造計画研究所は構造物からそれらを取り巻く自然・環境、そしてその中で生きる人々で構成される社会・企業・コミュニティへと、時代に合わせて事業領域を拡げ新たな価値を提供してきた専門家集団です。「社会のいかなる問題にも対処する」ことが当社の使命であり、また対処できるだけの人才を有しているとの自負があります。

 我が国は様々な自然災害を経験してまいりました。
 日本の地震被害として最大規模の被害をもたらした関東大震災から今年でちょうど100年が過ぎ、東日本大震災からは12年、熊本地震から7年が経過しております。人々の記憶や関心は薄れ、震災を振返る機会は減っていますが、切迫する南海トラフ地震、首都直下地震などの発生を見据えて備えは着実に推進していく必要があります。加えて、近年の地球温暖化に伴う大雨や台風の強度や頻度の増加により、河川の洪水、土砂災害、高潮災害などの被害は深刻さを増しており、これらの風水害に対する対策も喫緊の課題となっております。このような自然災害が人命や経済にもたらす被害を最小化するため、また、災害から早期に復旧・復興を図るための取り組みには、デジタル技術の活用などが不可欠です。IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会のあり方に影響を及ぼす新たな技術の進展により、これらの課題に新たな解決策を生み出す可能性が広がっています。
 また、社会全体においてSDGsやESG経営などサステナビリティに対する関心が高まり、様々な社会課題への取り組みを企業価値の向上につなげるという考え方は、多くの企業の行動に変化をもたらし、より積極的に社会課題に対応していく気運が高まっております。

 真のプロフェッショナルであり続けるために当社は大学、研究機関と実業界をブリッジするデザイン&エンジニアリング企業として、企業や国・自治体と共に、学問的知識の活用によって社会課題の解決に挑むビジネスに取り組み続けてまいりました。安全な構造物の設計や地震による構造物への影響評価、台風・豪雨対策のための風・浸水状況の評価や河川水位予測、シミュレーションに基づく災害時の住民の避難計画策定支援など、当社は、お客様の直面する社会課題へ対応策を提供することで、社会課題の解決に貢献しております。
 こうした背景にあるのは、「世の中で一番贅沢なことは人の為に一生懸命尽くして、その人の喜ぶのをひそかに見て楽しむことだ」という創業者 服部正の想いにほかなりません。当社を支えているのは、創業からの長い歴史、積み上げてきた実績や経験だけではなく、当社に集う所員一人ひとりです。これからも、創業者の想いが示すように、変化し続ける社会課題に対応し貢献できるよう所員一人ひとりが成長することで、社会に役立つ価値を提供することができる真のプロフェッショナル集団であり続けてまいります。
 今後とも一層のご期待、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表執行役社長 渡邊太門 代表執行役社長 渡邊太門



 

 

 構造計画研究所は、情報技術を活用したエンジニアリング技術をお客様に提供する組織です。技術には2種類あると考えます。18世紀後半から興隆した産業革命(工業化)で培われた工学知と20世紀後半から台頭した情報技術です。この2種類の技術を上手く組み合わせて、当社は社会に役立つ価値を提供しております。
 知識や知恵を活用して、依頼者の課題を解決する生業で社会への価値貢献を目指す、知識集約型企業組織においては、才能ある人才の参画とその活躍こそが、事業の源泉となります。事実、当社は1956年6月に建物の構造設計事務所としてスタートした由来から、会社というよりも専門家集団の事務所(Firm)を運営することに主眼を置き、組織を構成する人と、人の生み出す才能・才覚を変容するテクノロジーの力で価値創造してまいりました。現在では、従来から行ってきた相対プロジェクトのエンジニアリングコンサルティング(EC)に加えて、ソフトウェアパッケージ販売(PS)の新しいビジネスモデルとして10年ほど前に登場した海外のクラウドサービスビジネスが順調に立ち上がっております。

  

 経営学者として評価を得ている京都大学名誉教授、現学習院大学教授 武石彰教授の教科書『経営学入門』(岩波書店 2021年4月発行)において展開される企業経営の4つの側面の中で、「人々の協働」つまり場作りこそが経営の最優先事項だと考えております。この「場」の上で、それぞれの所員が、自らのミッションを考えながら社内外のステークホルダーと関わっていくことを期待しております。勿論、武石教授の他の3つの側面、「価値の創造」「社会への責任」及び「資本の活用」についても、変化する技術を学び良い仕事を受注して顧客に感謝されること(「価値の創造」)、企業として社会的責任を担うこと(「社会への責任」)、さらには財務内容の悪い時期の運転資金の確保やパートナー関係の維持のための投資(「資本の活用」)が重要であると考え、それぞれの側面を考慮して経営を続けております。


 今後、当社が創業100周年を迎える2056年頃には、 確固たるエンジニアリング技術を基盤としつつも変化する情報技術を活用して、信頼される技術コンサルティングの提供とマス向けのクラウドサービスが提供できるように、モノもコトもわかる21世紀型知識集約型企業の理念を追求する所存です。そのためにも、人的資本経営は根幹になると考えます。独立性、多様性、柔軟性そして透明性を特色とした組織は、日本を代表する知識集約型企業となると信じております。

取締役会議長 代表執行役会長 服部正太 取締役会議長 代表執行役会長 服部正太

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