トップメッセージ

株主の皆様へ
株主の皆様には、日頃より当社事業へのご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
当社は大学、研究機関と実業界をブリッジする「Professional Design & Engineering Firm」として、より賢慮に満ちた未来社会の創出を目指し事業を展開しております。第64期も様々なステークホルダーの皆様とともに、工学知をベースとした先進的な技術を用いて社会課題の解決に貢献する取り組みの推進に努めました。
当社は2021年7月から代表執行役会長と代表執行役社長による代表2人体制のもと、更なる企業成長への挑戦を加速させております。“より賢慮に満ちた未来社会の創出”への想いを共有しながらも、異なる経歴、異なる専門分野を持つ2人が、それぞれの役割を果たすことで、第64期における経営の基本方針に掲げた「既存ビジネスのサステナブルな成長と新規ビジネスの 育成発展」及び「組織の質の向上」を確実に前進させた一年となりました。
業績面では、エンジニアリングコンサルティング、プロダクツサービス事業ともに順調に推移しました。好調の要因の一つは、当社が提供するユニークなサービスが企業・自治体が真剣な対応を迫られるESG(環境・社会・企業統治)に関する課題の解決や戦略の推進に貢献するものだからと考えます。例えば、脱炭素化社会の実現に向けて官民一体となって再生可能エネルギーの普及が進められていますが、当社では長年にわたって蓄積した構造設計や解析技術の知見を有するチームが連携して、「陸上・洋上風力発電」の計画・設計・運用保守等をサポートしております。また、気候変動による自然災害の激甚化に対応するものとして、東京大学と共同開発した予測技術を応用したリアルタイム洪水予測システム「RiverCast」も注目を集めています。加えて、工場などの複雑な現場のデジタル化を促進する大規模施設3次元デジタル化ソリューション「NavVis」、公共施設や宿泊施設の管理者と利用者の非接触を推進する入退室管理クラウドサービス「RemoteLOCK」など、持続可能な社会につながるイノベーションを支援するこうした当社のサービスは、引き続き、新たな事業領域として拡大が見込まれます。
こうした事業の持続的な成長を支えるのが「人才」であり、「人才」は当社の価値創造の源泉といえます。従って、「人才」の採用と育成は当社の重要な経営課題です。自律・自立的に振る舞い、より良い社会の実現に貢献できる人才の獲得競争は熾烈ですが、働く場としての当社の魅力を高めて、優れた人才の集団を目指します。また、経営の後継者となる人才の育成にも着実に取り組みたいと思っております。
株主の皆様には、今後とも一層のご期待、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
構造計画研究所におけるAmbidexterity (既存ビジネスと新規ビジネスのあり方)
構造計画研究所は、技術の変化が社会に価値をもたらすように、その導入・活用を支援する企業組織です。技術には二つの種類があると考えます。一つは産業革命以降の体系だった工学知をベースとした「知の集積」です。もう一つは、20世紀後半に登場するコンピュータ、インターネットやスマートフォンに代表される「情報技術(IT)」です。この二種類の技術体系を上手く組み合わせて、当社は社会に役立つ価値を提供しております。仕事の形態として、個々のお客様の課題解決を支援するプロジェクトを請け負うエンジニアリングコンサルティング(EC)と、ある一定の機能を内包したソフトウェアパッケージを販売するプロダクツサービス(PS)の二つがあります。EC業務においては、同じ技術テーマを繰りかえし実施することで経験知が蓄積され、付加価値を提供する効率と品質が高まります。PS業務においては、顧客のニーズに合ったソフトウェアパッケージを提供するためにマーケティングも重要になります。
創業時、ECビジネスが全てでした。創業者である服部正所長(1926年8月7日−1983年1月29日)は、日本で初めて構造計算にコンピュータを導入することで、複数の設計案を比較検討することを可能とする価値を構造設計業務にもたらしました。当時のEC業務は、1950年代半ばから1960年代前半にかけての城郭再建に代表され、和歌山城・小倉城・熊本城・唐津城・島原城・小田原城などの全国の城郭復興を手がけました。
近年の当社の成長にはクラウドベースのPS業務が大きく寄与しています。米 Twilio社、独 NavVis社 及び米 LockState社(現:RemoteLock社)などのサービスは海外で高い評価を得ており、特にNavVis社及びRemoteLock社に対しては業務提携関係を強化するため当社も出資しております。これら三つのPSビジネスは、以前から、別のビジネスで縁があったドイツ及びアメリカの当社所員のビジネスパートナーからの紹介で始まりました。
日本国内では当社の次世代事業開発部において、産学連携の成果として東京大学特別教授である合原一幸先生の指導を受け、河川氾濫などに適用できる洪水予測技術を開発し、「RiverCast」ビジネスが立ち上がりつつあります。また今期から、「データ同化」技術をハブとした事業開発を担うチームも発足しております。こうした新しい挑戦がある程度の時間をかけて、5年後、10年後に真に社会に役立つ価値を提供し、より安全で快適な社会の実現に貢献することが当社のミッションです。このためには、技術の探求だけでなく、社会や顧客のニーズに繋げるマーケティング活動も重要です。 |
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