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トップインタビュー

 

■第62期の業績と取り組みについて

 株主の皆様には、日頃より当社事業へのご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 “工学知をベースにした有益な技術を社会に普及させることで、より賢慮に満ちた未来社会をステークホルダーの皆様とともに創出していきたい”。創業時から持ち続けているこのような思いを「Innovating for a Wise Future」というThoughtに込め、多岐にわたる社会の課題を解決すべく、そして事業体としても持続的な成長を実現すべく、私どもは日々チャレンジを続けています。

 当社は、創業の頃より学問知や経験知等を統合した工学知を活用し、先進的な技術とビジネステーマに取り組んでまいりました。建物の構造設計をルーツとしながらも、1961年には当時まだ国内では珍しかったコンピュータを導入し、地盤や周囲の環境解析、建築業界や製造業界におけるIT活用支援、情報通信分野におけるソリューションの展開、社会システムのシミュレーションや意思決定支援、さらに近年は住まいを取り巻くIoT/IoEサービス等、多様な事業領域へとビジネスを拡大しております。それぞれの事業領域においては、経験曲線効果を重視し、工学知の積み重ねと着実な付加価値向上を行ってまいりました。

 おかげさまで第62期も業績は好調に推移し、営業利益は前年度比6億13百万円増、率にして49.5%増の18億55百万円となりました。エンジニアリングコンサルティング事業では、先端的な情報技術の導入や競争力強化に対する投資意欲が高い住宅・建設業界の優良企業様からの継続的な受注、安全・安心な社会の構築に資する構造設計業務の受注に加え、質の高い付加価値を提供すべく組織的な品質確保の取り組みを通じて不採算プロジェクトの発生を抑制したことから、増収増益となりました。

 プロダクツサービス事業では近年開始したクラウド型メール配信サービス、及び入退室管理クラウドサービスが順調に販売を拡大しました。また製品開発の期間短縮とコストダウンを実現する設計者向けCAEソフトや、粒子法流体解析ソフトの販売が堅調に推移し、この分野の収益向上に貢献しました。

■スタートアップへの投資による価値向上

 以上のように主要事業での着実な成長を実現する一方、今後の成長を見据えた投資も継続してまいりました。海外においては2016年より販売を開始した米国LockState社の入退室管理クラウドサービス「RemoteLOCK」が、IoT時代における建物や住まいに新たな付加価値をもたらす事業として着実に売り上げを伸ばしており、今年5月にはシリーズ製品の中で初めての日本国内生産となる新製品の販売を開始いたしました。また、2015年から業務提携している、ドイツNavVis社の大規模施設デジタル化ソリューション「NavVis」についても、ウェアラブル型の新製品を発売するなど、デジタルツイン・スマートファクトリー化や施設の遠隔維持管理を支援するサービスとして、事業基盤の構築に取り組んでおります。

■産学連携の取り組み

 さらに、先端的な技術の社会実装を目指し、東北大学、東京大学、情報通信研究機構等、大学・他研究機関との共同研究や連携活動を通じた事業開発を行っております。東京大学と共同開発したリアルタイム洪水予測ソリューション「RiverCast」は、早期の避難判断等を支援するサービスとして、現在展開を進めています。この核となる技術の研究開発成果が、ネイチャー・パブリッシング・グループの総合科学雑誌「Scientific Reports」(オンライン版)に掲載されました。その他、災害時の通信手段を提供する「スマホdeリレー®」や、クラウドプラットフォームでの社会シミュレーションを通じた洞察を提供する「artisoc Cloud」等、社会的な課題の解決に向けたソリューションの開発を推進しております。

■多様な「人才」の参画

 これらの活動を推進するにあたり、最も重要なのは人才の採用・育成だと考えております。採用面では、国内外での積極的な採用活動を、新卒・キャリア採用ともに継続しています。2014年にシンガポールで開始した海外採用活動により、第62期末において外国籍所員は49名と全所員の約8%を占めています。こうした異なる文化や経済圏の経験を持つ人才の参画は、当社における多様な価値観の融合による組織の活性化や新たな事業展開につながっています。社内人事異動や社外研修制度のみならず、米国スタンフォード大学や省庁、外部研究機関への出向など、社内外を含めた様々な活躍の場を提供することで、多様な成長機会の提供を行っております。

■場の整備

 さらには、定年制の廃止や限定社員制度(勤務地限定、時間限定)、部門の新設・統廃合や福利厚生面の拡充を通じて、優秀な人才がより魅力的な環境で活躍できるような場の整備にも力を入れております。2020年8月からは、新たに住友中野坂上ビルの2フロアを賃借し「中野坂上別館」として開設しており、現在約170名の所員が勤務しております。これに伴い東京都中野地区でのフロア面積の合計は約1,000㎡増加して、今後の事業拡大及び人員増にも対応できる予定です。これら諸施策は、財務諸表上には直接成果が表現できませんが、変化する時代の中で持続的な成長を実現するために重要な組織戦略だと考えております。

 今後とも社会に役立つソリューションをお客様に提供することで、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。株主の皆様には、今後とも一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

2020年9月吉日

代表執行役社長 服部 正太 Shota Hattori

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