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トップインタビュー

 

■第59期の業績と取り組みについて

  第58期に引き続いて当社に仕事を依頼してくださるお客様の投資意欲が高く、受注状況も好調に推移しました。受注の約8割を占めるエンジニアリングコンサルティング事業では、住宅・建設業界の優良企業様から継続的な技術開発投資を依頼されシステム構築サービスを提供しました。また、構造設計業務や解析コンサルティングの業務も安定的な受注で、当社の業績に貢献しました。しかしながら、一部のシステム開発業務で不良化が生じ、納期の遅延が発生しお客様にご迷惑をかけ、業績の悪化を招きました。これらの不良プロジェクトも第59期中にすべて課題は解決しており、新年度(第60期)には全く影響はございません。 不採算プロジェクトをこれ以上発生させないため、品質保証センターの人員を増加させ、また管掌取締役に時間と権限を与えて不良化再発防止に向けたリーダーシップを担ってもらいます。
 既存ビジネスの高収益、安定受注の業務分野だけでは、これからの当社の成長は見込めません。技術が変容するなかで、新しい技術テーマでお客様の課題を解決出来るように、技術のマーケティングを進めてきました。米国コロラド州デンバーに本拠のあるSendGrid社のクラウドメール配信サービスを日本の代理店として担当して3年経過しております。契約高、顧客数とも順調な立ち上がりをみせております。また、本年1月からはWi-Fi接続型スマート鍵「RemoteLock」の販売も米国LockState社の協力で始まりました。さらには、介護施設向け見守りセンサー「EVER Relief」の販売も開始しました。また、これまでの粒子法解析技術に加えて、4月から販売を開始した粉体・混相流シミュレーションソフトウェア「iGRAF」も今後の展開が楽しみです。 
 いずれのプロダクツサービスもまだまだ既存ビジネスのような利益寄与は出来ておりませんが、次世代を担う若い所員が中心となってプロジェクトを進めており、今後のお客様からの評価が重要になると考えます。いずれの新規ビジネスも、当社が掲げる①大学研究機関との産学連携 ②一流の海外パートナーとの連携 ③ソート(Thought)「Innovating for a Wise Future」の方針に沿った展開です。

■中長期的な展望と今後の成長戦略について

 事業形態ごとの成長戦略と人への投資にわけてお話しします。
 まず、事業形態別には以下の3つの観点で成長を考えております。
 1950年代後半に構造設計事務所として設立された当社は、当初熊本城をはじめとした戦後の城郭再建ブームのなか、構造設計業務を生業としてスタートしました。構造設計の業務をより価値の高いものにしたいと電子計算機(IBM1620)を1961年に導入し、情報技術の利活用でお客様への価値創造を担ってきました。こうした情報技術は、あくまでも道具立てに過ぎず、お客様と直接向き合う所員の組織的なコンサルティング能力こそ、当社の強みと考えております。 
 主要なエンジニアリングコンサルティングのビジネスでは、コンサルタントの課題解決能力の育成、コミュニケーション力の地道な改善が重要です。 
 これにくわえて、プロダクツサービス分野では、情報技術のさまざまな展開のもと、新しいサービス提供形態が出現しております。インターネットの普及、スマートフォンやタブレット端末の普及、さらにはクラウドサービスの出現などを背景に、私どももBtoBの受託開発型企業の形態だけでなく、BtoBtoCのビジネスモデルに取り組み、エンドユーザーのお客様の動向もマーケティングしながらビジネスを展開します。 
 さらに近年では、国内外のパートナー企業と協業するための投資や、技術に特色のあるスタートアップ企業を投資対象とするファンドとの協力なども進め、投資から得られる収益についても組織的な対応が出来つつあります。
まずは、主要業務のエンジニアリングコンサルティング事業での人材の育成、さらにはプロダクツサービスの新展開、そして最後に投資ビジネスの確立が中長期の成長に役立つと考えます。
 次に、財務諸表上にあらわれない投資行為として、人材育成への投資があります。人材の育成という点では、以下の3点の施策を進めております。
 第一に、所員を外部組織で研修させております。 
 米国スタンフォード大学への研究員の派遣、シンガポールでの合弁事業への所員の派遣、経済産業省等への出向、米国パートナー企業への派遣など、次世代の経営を担う候補者に組織を外から複合的に観る機会を提供しております。派遣先での経験が将来必ず役立つと信じております。 
 第二に、多様な人材を採用するという観点から、4年ほど前からシンガポールで採用活動を開始し、日本で育成する外国籍エンジニアの採用を継続的に進め、現在36名在籍しております。彼ら彼女らは、日本の有名大学よりもアジア大学評価ランキングの高い大学(例えば、シンガポール国立大学、南洋理工大学、バンドン工科大学)の出身で、多くは日本語もすぐに上達します。多様な人材が参画することは、当社の日本人所員にも良い影響を与え、鳥瞰的な視野の必要性、文化文明の相互許容などが芽生えます。近い将来当社のエンジニアリングが東南アジアに伝播することを期待しております。 
 第三に、当社ではシャドーワークを推奨し、自らの能力を高めようと努力する所員を支援しております。様々な学会活動での発表、著作執筆の応援、また社内に24時間開放のライブラリーを設置して、勉強できる環境、自己研鑽を奨励しております。
 以上ご説明しました3つの施策、人を成長させる仕組み作り、場づくりは、財務諸表上には直接成果が表現できませんが、今後の組織の成長に中長期的に役立つ戦略だと考えます。

■株主の皆さまへのメッセージ

  前期から第60期への受注残高は、増加傾向にあります。くわえて、繰り越している既受注プロジェクトは採算性が高く、未着手の部分も多くあります。繰り越しているプロジェクトに関しては、利益率で17%程度の改善、利益額でも0.8億円ほど昨年を上回っております。既存のお客様からのご贔屓を得ながら、新しい技術テーマを新しいお客様に評価していただき新しい対価を得ることを着実にすすめたいと願っております。 
 株主の皆様への利益還元につきましては、当社株式を中長期的に保有いただけるように第59期に導入した四半期配当を継続し、安定配当の維持を基本とし、配当性向についても約40%を維持します。もちろん当社の財務体質の改善や新規事業展開投資も勘案しながら、経済状況の変化にも柔軟に対応する所存です。 
 さらに、当社は9月15日開催の株主総会において決議されました通り、「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」に移行いたしました。構成員の過半数を社外取締役とする監査等委員会を設置し、社外取締役による業務執行の監査機能の充実およびモニタリング機能の強化により、コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実とさらなる企業価値の向上を図ってまいります。 
 株主の皆様には、今後とも一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。


2017年9月吉日

代表取締役社長 服部 正太 Shota Hattori

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