SOLIDWORKSアドイン自動設計ツールTactonWorks導入事例
株式会社マキノ様

株式会社マキノ

株式会社マキノ 設計部
(左から)中川岳士氏、北川雅彦氏、吉田昇平氏

「TactonWorksによる自動設計で設計時間を70%短縮。新製品の開発を含む、全社の業務改善が見えてきました」

焼き物の町、愛知県常滑市に本社および本社工場を構える株式会社マキノは、創業以来82年に渡り、幅広い業界へ独自技術を駆使した機械とプラントを提供してきた。既存製品の一層の性能アップ、納期の短縮を達成し、より社会に有用な開発にリソースを割り当てるため、自動設計ツール「TactonWorks」を導入した。「これで社内に長年蓄積したナレッジの標準化ができます」と語る同社設計部部長北川氏、推進メンバーの中川氏、吉田氏にお話を伺った。
もくじ
  1. 1. 株式会社マキノは「粉砕・ろ過・乾燥・分離」技術を長年蓄積したエンジニアリング企業
  2. 2. TactonWorksは課題解決の切り札になる~導入の背景
  3. 3. 仕様の決定とナレッジの3次元化〜困難だったこと
  4. 4. 大幅な設計時間の短縮を実現〜導入効果
  5. 5. 3次元シミュレーションで更なる業務改善を目指して〜今後の期待

株式会社マキノは「粉砕・ろ過・乾燥・分離」技術を長年蓄積したエンジニアリング企業

― 株式会社マキノについてご紹介ください

弊社は、粉砕・ろ過・乾燥・分離の4つの技術をコアに、セラミック、ファインセラミックを始めとした産業分野から環境まで、広範な分野のモノづくりを支えてきたエンジニアリング企業です。

自動車用セラミックス、ディスプレイパネルや携帯電話の各種部品には、マキノの粉体・分級・乾燥の技術が活かされています。また、工場や土木工事現場などから出る排水や泥水をきれいな状態にして自然に戻すためには、マキノのろ過技術が大きく貢献しています。
半導体・ガラス・電池などの「新素材」、タイル・食器などの「オールドセラミックス」、酒・医薬原料などの「食品医薬」、化粧品・プラスチックなどの「化学品」、そして「環境、水処理」とナノの世界から地球環境まで、幅広い分野で弊社の技術が活かされています。

1932年(昭和7年)に創業して以来、今年で82年になります。愛知県常滑市に本社・本社工場を構え、佐賀県、蘇州に工場を置き、従業員は約200名います。
近年では弊社独自の技術を活かし、汚染土壌の浄化プロジェクトに参加しています。



TactonWorksは課題解決の切り札になる~導入の背景

北川雅彦氏

設計部部長 北川雅彦氏

― まずは導入の経緯をお聞かせください

TactonWorksを知ったのは、2012年12月に参加した構造計画研究所のTactonWorksユーザカンファレンスがきっかけでした。

当時私は、弊社が抱える全社的な課題を3次元CADで解決できないだろうかと相当数の展示会やセミナーに参加していました。しかし、なかなか理想的なツールを見つけることができず、実は構造計画研究所のカンファレンスへも半信半疑の思いで参加しました。

ところが、実際の他社ユーザーによる事例紹介を受けて、TactonWorksで設計を自動化すればここまでできるのかと、驚きました。

SOLIDWORKSと連携して動く自動設計ツールはこれまでになく、一から自社制作すれば数千万円かかるという非常に高価なものになります。その点、TactonWorksは価格もリーズナブルで、「これだ!」と思いました。すぐに社内プレゼン資料を作成し、年明けには社内合意を得て、2013年3月にはTactonWorks Studioを1本、Engineer(※)を2本発注しました。

※TactonWorks StudioとTactonWorks Engineer
TactonWorks Studioではコントロールしたい可変パラメータをSOLIDWORKSモデルより選び、設計ルールの記述を行う。Engineerは実行用モジュールであり、製品仕様を入力すればStudioで設定したルールに基づき、SOLIDWORKSモデルが自動的に変更される。StudioとEngineerの双方を導入することで自社内での設計ルール作成、活用、メンテナンスまで行うことが可能となる。

― マキノの課題とはどのようなものですか

創業82年の弊社には、長年に渡って継承されてきた文化と多くのナレッジが蓄積されています。しかし、歴史が長いゆえに業務改善が進みにくい面がありました。全社的な課題は様々ですが、設計部門が抱える課題の一例は以下です。

1.蓄積したナレッジの継承と共有
弊社の設計者は約10名おりますが、半分以上は年配の社員です。設計者たちはもともと2次元CADでの設計を行ってきたため、設計に関するナレッジが属人化していました。ただ各人が通常の設計業務で忙しい中、若い世代への技術・ノウハウ継承や設計品質の向上などに力を入れることは困難でした。しかしその現状を変えるためにも、技術・ノウハウを明確にし、効率的な蓄積と共有の必要性を強く感じていました。

2.設計業務の効率化
これまでは類似する既存図面を流用しながら設計を行ってきました。例えば標準機種の設計図面が既にあり、その図面の一部をカスタマイズすればよい注文が他のお客様から入ったとすれば、確かに既存図面を手本として活用出来ます。しかし、膨大な図面集の中から流用する図面を探したり、当時設計したベテラン担当者に設計意図を確認したり、といったような効率の低い作業に時間が割かれていたのです。業務の効率化を実現することでお客様の要望に応える新しい設計技術の習得や製品の品質向上など、創造的な工程に時間を活用したいと切望していました。

3.3次元CADの本格稼働の必要性
弊社でも以前よりSOLIDWORKSを複数台導入してはいましたが、本格稼働に至っていませんでした。3次元CADを上手く活かすことができれば、ナレッジの伝承も設計時間の効率化の課題も解決が図れると考えていました。



仕様の決定とナレッジの3次元化〜困難だったこと

中川岳士氏

3次元がやりたかったので、困難
よりもワクワクが大きかったです
設計部設計課 中川岳士氏

― ご苦労されたことがあれば教えてください

TactonWorksを実際の業務に使い始めたのは2013年11月で、正直、導入には思ったより時間がかかりました。
導入したまま実用化に至っていなかったSOLIDWORKSの習得、2次元でのナレッジをどのように3次元で実現したいのかなど、弊社の業務を構造計画研究所に理解していただき、TactonWorksにナレッジを織り込んでいく作業に時間を要しました。

最大の難関は仕様を決めていくところでした。自動設計ではあれもやりたい、これもやりたいという希望がありましたが、それらを枚挙していくと膨大な量になります。
たくさんの実現したいことの中から、何を選び、どの順番で進めればスムーズなのか、自動化した方が良い部分はどこなのか、など整理に困難を極めました。

そのため構造計画研究所には最初は月に1回ペースで来社いただき、打ち合わせを行いました。次の打ち合わせまでの間のやりとりは、メールを基本に時に電話で話しながら進めていくことで意識の擦り合わせを欠かさないようにしました。

また弊社がやりたいこと、TactonWorksで実現可能なことを共有化するフォーマットを作成してくれましたので、進捗が可視化できていたことは効果的でした。



大幅な設計時間の短縮を実現〜導入効果

― 稼働開始から3ヶ月あまり経ちますが、最初に自動設計化に選んだ製品はどれでしょうか

歩廊

最初の対象に選んだのは、歩廊の設計です。あまり時間をかけずに費用対効果が得られることと、自動設計化により大きな工数削減が期待出来ることを基準に選定しました。歩廊は、機械やタンクの製品本体に付属する通路で、主にメンテナンス用などに使用されています。

製品本体の条件や設置環境に合わせて、歩廊は階段の位置、全体のサイズ、形状や手すりの角度といった細かい点までカスタマイズをする必要がありますので、個別設計になることが多い製品です。これまでは人手に頼って図面をひいてきましたが、設計のパターンを整理し、設計ルールを決定しながら、構造計画研究所にTactonWorksへの実装をしてもらいました。

歩廊の種類は大きく4種類ありますが、この後残りの歩廊は、社内で設定ルールを実装して自動設計できるようにしていきます。

吉田昇平氏

設計部兼調達部情報管理課
吉田昇平氏

― 現時点での効果として見えていることがあれば教えてください

コスト削減という意味での費用対効果を、現段階では正確に測定するまでは至っていませんが、導入前に比べると設計時間は70%短縮可能と予想しています。TactonWorksを利用すれば、過去の2次元図面を探す時間が短くなり、ベテラン設計者に確認するまでもなく、経験が浅い人でも設計が可能です。

2次元CADから、3次元CADやTactonWorksのように新しい設計手法へ移行する困難や苦労は本当に多くありました。しかし、3次元シミュレーション活用により設計者自身が設計する上での楽しさや便利さ、作業の効率化、品質改善の評価といったような導入の苦労を上回る、業務改善メリットを最大限に引き出していきたいと考えています。



3次元シミュレーションで更なる業務改善を目指して〜今後の期待

― TactonWorksや3次元CADを使用した今後の予定があれば教えてください

引き続き、残り3種類の歩廊の自動設計に取り組みますが、今回の経験を踏まえ、中長期的には新しく開発する機械本体の設計の自動化も視野に入れています。

今回はTactonWorksの導入と共に夢だった3次元CADの実用化も進み、構造計画研究所には感謝しています。設計にかかっていた工数の削減だけでなく、設計者の頭の中の知識やノウハウをTactonWorksに落とし込むことができ、今後は誰であっても設計ができるようになると感じています。
将来的には、営業担当者が客先でパターンを選びながらお客様に説明し、選んでいただいた製品の見積もりもその場でできるようにしていく構想も練っています。

TactonWorksによる大幅な時間短縮の実現も見えてきているので、今後も世の中に必要とされる技術の更なる開発に邁進していく所存です。



取材日:2014年2月
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株式会社マキノについて
設立:1932年6月
本社所在地:愛知県常滑市大曽町
ホームページ:http://www.makino-co.co.jp/index.html別ウインドウが開きます ______________________________________________________________________________________________

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TEL:03-5342-1051

E-Mail: sbd@kke.co.jp

http://www.sbd.jp/product/automatic/tactonworks.shtml別ウインドウが開きます

大阪支社 TEL:06-6226-1231

中部営業所 TEL:052-222-8461


この事例で使われているソリューション
TactonWorks