電波伝搬解析ソフトRapLab導入事例
パナソニック株式会社 解析センター様

パナソニック株式会社 解析センター

パナソニック株式会社 解析センター(左から)奥村 浩幸氏、森田 智彦氏

「屋内・屋外の電波強度を「RapLab」で解析し、スマート家電などの無線環境の『見える化』を行い、安定した無線環境を設計しています」

「パナソニック」「パナソニック電工」「三洋電機」3社の解析・評価技術者が一堂に会して生まれたパナソニック株式会社 解析センター。幅広い分野で解析に関するソリューションを提供している同社では屋内環境での無線機通信の伝播性能評価を行うために、2011年に構造計画研究所の電波伝搬解析ツール「RapLab(ラプラボ)」を導入した。本ツールの導入に至った経緯や、数年間利用しての所感についてお話を伺った。
もくじ
  1. 1. 「One for All, All for One」:3社の解析技術が統合
  2. 2. RapLabを選んだ理由:広範囲の解析が可能なレイトレース法の解析を評価
  3. 3. 屋内・外の無線環境をRapLabで評価
  4. 4. RapLabの評価:実測のオリジナルデータが反映可能、迅速かつ丁寧なサポート
  5. 5. 今後の期待:RapLabの新しい用途

「One for All, All for One」:3社の解析技術が統合

― 解析センターの業務について教えてください

パナソニック株式会社 解析センターは「パナソニック」、「パナソニック電工」、「三洋電機」の解析・評価技術者が集まって構成されているプロフェッショナル集団です。これまで3社がそれぞれ培ってきた解析・評価技術を「One for All, All for One」 の精神で結合することで相乗効果を狙い、より高いレベル、より広い視点・分野で商品開発に役立てるよう、次の9分野の成果を社内外に展開しています。

・EMC 設計・評価 ・電気設計・解析 ・信頼性評価
・材料分析 ・強度評価 ・安全性評価
・計測器校正 ・ネットワークセキュリティ ・ユーザビリティ

電気、機械、化学から人間工学に至るまで、当社の技術を展開する範囲はあらゆるステージに及びます。

また解析センターでは"Diverse Solutions for Your Success !! (あなたの成功のために、あらゆるソリューションを)"というスローガンを掲げています。

このスローガンのもと、お客様との対話を大切にしながら、時には複数の分野の技術者がタッグを組み、「スピーディに」「高品質に」「リーズナブルな価格で」、サービスをご提供することをモットーにしています。



RapLabを選んだ理由:広範囲の解析が可能なレイトレース法の解析を評価

― RapLabをどのようにお知りになりましたか

2009年4月に開催されたメカトロニクス・エレクトロニクス技術が集まる展示会「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2009」にて、構造計画研究所の社名とRapLabを知りました。2011年3月に、宅内における電波環境解析のテーマを社内で起案し、比較的大規模な解析が可能な電波解析ツールの選定を開始しました。その時は、電磁界解析と電波伝搬解析の両方が候補に挙がっていました。
無線通信の設計ツールとして広範囲の電波強度を解析する目的があったのですが、詳細な解析が行える一方、計算に時間のかかる電磁界解析では解析規模に限界があると感じていました。そこで広範囲の解析ができる電波伝搬解析、特に手法の一つであるレイトレース法(※)のツールを探していたところ、RapLabを知りました。
同年4月、構造計画研究所に問い合わせたところ、すぐにRapLabの説明とデモンストレーションにお越し頂きました。その後、社内で検討した結果、レイトレース法を用いたRapLabを第一候補に決めました。

5月には、RapLabの無料トライアル版で評価を開始し、さらに構造計画研究所にて操作方法の個別レクチャーを受講しました。十分に操作を理解することができたため、購入を決断し、2011年6月には発注を済ませ、運用開始にいたりました。

※ レイトレース法
電波を光に見立て、伝搬経路を探索する手法のこと。送信点から放射される電波が、周辺の建物による反射・透過・回折を経て受信点に到達するまでの伝搬経路を探索する。

― RapLabを選んだ決め手は何でしょうか

レイトレース法の解析ができる、という条件に合っていた点がありますが、その他にも、アンテナ特性、材料特性(角度データ)など、オリジナルな実測値を反映させることができる点も魅力です。

さらにRapLabは構造計画研究所の自社開発製品であるため、質問等に対するレスポンスが速く、サポート体制にも満足しています。価格がリーズナブルなことも、理由の一つと言えます。



屋内・外の無線環境をRapLabで評価

― RapLabの活用方法についてお聞かせください

主に、住宅、オフィスなどの屋内環境での無線機通信の伝搬性能評価に利用しています。もう少し詳しく言いますと、周波数ごとにどれだけ電波が届くのか、また電波吸収体や反射物の有無によってどのような影響を受けるのかを評価しています。下図は、屋内環境での周波数の違いによる電波伝搬の解析結果例です。RapLabは周波数ごとに、伝搬しやすさの違いを視覚的に表現できるので、訴求効果が大きいですね。

図式引用 パナソニック株式会社ホームページより

図式引用 パナソニック株式会社ホームページより
http://www2.panasonic.co.jp/aec/electric/electromagnetic-waves.html




RapLabの評価:実測のオリジナルデータが反映可能、迅速かつ丁寧なサポート

― 2年間お使いになってみての感想をお聞かせください

広範囲の電波の解析が、実用レベルで可能なことに満足しています。またRapLabを選んだ決め手でも申し上げましたが、アンテナ特性、材料特性(角度データ)など、オリジナルな実測値を反映させることができる点も解析に役立っています。操作面では、シンプルで分かりやすいユーザインタフェースが良いと思います。
また、これも先ほど触れましたが、RapLabは構造計画研究所の自社開発製品であるため、バグ報告から解決まで速やかに対応していただいています。とにかく、サポートが速く丁寧なことにもとても満足しています。

一方、これはRapLabの計算方法がイメージング法(※)であるため、ある意味仕方ないかもしれないのですが、想定以上に計算に時間がかかることが少し不満でした。ただし、バージョンアップで確実に高速化の改善がなされており、ストレスは減っています。

※ イメージング法
送信点、受信点、その他すべての反射面の組み合わせから、反射・回折・透過を計算し、軌跡を求める方法のこと。この方法では受信点に到達する電波を厳密に求めることができるが、すべての反射面・回折点の組み合わせを探索する必要がある。



今後の期待:RapLabの新しい用途

― 今後もRapLabを利用されるにあたり、どのような構想をお持ちですか

無線通信を行う機器が増えると同時に、省エネへの対応で様々な種類の建材(壁・床・窓)が開発され、無線通信の環境はさらに複雑になっています。われわれパナソニック社は無線機器から建材まで幅広く扱うメーカーですので、より厳密なシミュレーションを行うため、RapLabを用いて新素材を含めた詳細モデルを開発しています。
また、電磁界解析ソフトも使用し、電磁界解析で得られたアンテナ情報を電波伝搬解析でそのまま使用する連成解析(※)も検討しています。
お客様の便利で豊かな暮らしの実現に向け、積極的に製品開発を支援していきます。

※ 連成解析
別々の支配方程式で表される物理現象を、それぞれの方程式に関連付けて解くこと。
ここではアンテナ周辺を電磁界解析で詳細に解析し、他の範囲を電波伝搬解析し、 それぞれの解析結果を合わせて評価を行うことを指す。



取材日:2013年5月
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パナソニック株式会社 解析センターについて
創業:2005年
所在地:大阪府門真市
ホームページ:http://www2.panasonic.co.jp/aec/別ウインドウが開きます
情報館ホームページ:http://www2.panasonic.co.jp/aec/blog/別ウインドウが開きます ______________________________________________________________________________________________


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この事例で使われているソリューション
電波伝搬解析ツール RapLab
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